おや、こんなところまで足を運ぶなんて、ちょっと驚いたよ。何か特別なことがあったのかな?それとも道に迷ってしまったのかい?
うん、実は、どうして自分が今この道を歩いているのか、全く分からなくなってしまったんだ。何だか心の中にある理由も曖昧になってしまったから、思わず立ち止まって考えてみたんだ。
そうなんだね。やっぱり迷っているんだね。大丈夫、私もかつて同じ気持ちを抱いていたから、その気持ちがよく分かるよ。この場所にいる人たちは、みんなそれぞれの目標を持って歩いているんだ。でも、その目指すものや抱えている悩みは人それぞれ異なる。それでも、最終的には誰もが同じ場所に辿り着く運命にあるんだ。
それって、どういう意味なの?僕も他のみんなと同じ場所を目指してここまで歩いてきたけど、途中で自分がなぜ歩いているのか分からなくなった。立ち止まって、こうして君に出会えたけど、果たして本当にみんな同じ場所に行くの?僕も同じ道を辿ることになるの?
その通りだよ。君も最終的には同じ場所にたどり着くことができるんだ。見た目にはそれぞれ違った道を進んでいるように見えるけれど、行き着く先は同じなんだ。でも、みんなが歩いてきた道のりや、その間に積み重ねた経験は異なるからこそ、それぞれの人生には意味があるんだ。
僕は何のために歩いているんだろう…?何になればいいのかな?
その問いは本当に重要だね。何のために歩いているかというと、それはきっと、最後の場所に辿り着くためなんだ。そして、その場所がどんなところなのかは、実際に行ってみないと分からない。私たちはそれぞれのやり方で、そこを目指しているんだ。
どうして目指さなければならないの?目指さない生き方もあるんじゃない?
確かに、目指さなくてもいいという考え方も存在する。でも、私たちが何かを目指さずに歩けば、その歩みの意味が失われてしまうんだ。ただ、その過程で積み上げてきたものが、私たちの中に「とても大切なもの」として残るんだよ。
とても大切なもの?
うん、それは「歩いてきた意味」だよ。目指すものがあるからこそ、道中で出会った人や出来事、感じた感情が自分の中に深く根付くんだ。
なるほど、歩く意味が大切なんだね…ねぇ、僕はここでしばらく立ち止まっていてもいいかな?
もちろん。自分のペースで進むことが大切だよ。でも、目指すものを見失わないように気をつけてね。あまり長く立ち止まっていると、人生の時間は永遠ではないことに気づくはずだから。
永遠じゃない?
そう、私は永遠は存在しないと思っている。どんな人でも、いつかは最後の場所に辿り着く。そして、そこでまた誰かと出会うんだ。
その場所に着いたら、離ればなれになったみんなにも会えるの?
もちろん。私は最後の場所には、以前別れた人たちとも再会できると信じているよ。だから、寂しさを感じることもあるかもしれないけど、新しい出会いを大切にして、自分の歩みを進めていっていいんだよ。
そうなんだ。それを聞いて少し安心したよ。実際に今、こうやって君に会えて、気持ちが軽くなったよ。ありがとう。
君は本当に優しい子だね。ただ、私のようになってほしくないな。
え?どうして?君みたいにって…?
私は途中で歩くのをやめてしまったから、最後の場所には辿り着けなかったことを後悔しているんだ。あのときは、未知のことが多すぎて、怖くなってしまったんだ。
歩くのをやめるってどういうこと?そんなこと、本当にできるの?でも、今もここにいるじゃないか。
自分の意思で歩くのをやめることはできるんだ。やめてしまうと、全てを投げ出してしまって、何も残らなくなる。ほら、地面に一本のラインが引かれているのが見えるだろう?
ライン?確かに、地面に線が引いてあるね。
これは、もう先に進めないという線なんだ。私は自らの意思で前に進むことをやめてしまったから、ここから先には行けない。
どうしてそんなことをしてしまったの…?
怖かったんだ。歩き続けることがあまりにも辛かったから。でも、今になって、その時に歩みを止めてしまったことを深く後悔している。もしも、当時の自分が今の私の話を聞けたら、きっと別の選択をしていたはずだ。
歩くのをやめた今、どんな気持ちなの?
歩みを止めて全てを失い、心も体も軽くなった気がする。でも、その代償は大きくて、もう最後の場所に行けないし、みんなとも会えなくなってしまった。それがとても悲しくて、切ないんだ。だから君には、どんなにつらい時も歩みを止めないでほしい。感情に押しつぶされずに、今の気持ちを大切に生きてほしい。こんな風になった人間がいたことを、覚えていてくれたら嬉しい。
…うん、分かったよ。僕はもう少し頑張る。歩みを止めず、たまには立ち止まっても、しっかり前へ進むよ。君のことは絶対に忘れないと約束する。
ありがとう。君にそう言ってもらえると、本当に嬉しいよ。君も素晴らしい子だ。今度こそ、私ももう一度歩き出してみるね。じゃあ、私も自分の道を進むから。
どこに行くの?
これまで歩いてきた道を戻って、また新しく歩み始めるつもりなんだ。
そっか、じゃあまた会えるね?
きっと会えるよ。形は違うかもしれないけれど、君と再び巡り会う時が来るはずだ。道の途中かもしれないし、最後の場所かもしれない。でも、再会の時は必ず訪れるから。
うん!僕も君に会うために決して歩みを止めない。君も今度こそは途中で止まらないでね。僕たちの大事な約束だよ!
ああ、その約束は守るよ。私ももう歩みを止めないつもりだ。また君に会える日を楽しみにしているよ。次に会えたときも、またたくさん話をしよう。
僕も!また君とたくさん話したい!