完全競争市場の需要供給曲線 グラフ
[Analysis]
この問題は完全競争市場における線形需要曲線と線形供給曲線の均衡を求め,さらに消費者余剰・生産者余剰を求める典型的なミクロ経済学の問題です.需要と供給をそれぞれ直線でモデル化し,交点を計算して均衡価格と均衡取引量を導出し,グラフ上の三角形から余剰を求めます.
[Solution]
ステップ 一 需要曲線と供給曲線の設定
需要曲線 P=a−bQ
供給曲線 P=c+dQ
ここで定数 a, b, c, d はそれぞれ需要の価格切片・傾き,供給の価格切片・傾きを表し すべて正
ステップ 二 均衡数量の導出
需要曲線と供給曲線を同値とおく
a−bQ=c+dQ
両辺を整理すると
(b+d)Q=a−c
したがって均衡取引量は
Q∗=b+da−c
ステップ 三 均衡価格の導出
均衡数量を需要曲線に代入して
<<|P^* = a - bQ^|>>
または供給曲線に代入して
<<|P^ = c + dQ^*|>>
いずれも同じ値を与える
ステップ 四 消費者余剰の計算
需要曲線の価格切片は P=a であり,均衡価格との差を高さ,均衡数量を底辺とする三角形の面積
CS=21×Q∗×(a−P∗)
ステップ 五 生産者余剰の計算
供給曲線の価格切片は P=c であり,均衡価格との差を高さ,均衡数量を底辺とする三角形の面積
PS=21×Q∗×(P∗−c)
ステップ 六 グラフの描写
横軸に取引量 Q ,縦軸に価格 P を取り,右下がりの需要直線と右上がりの供給直線を描く.両者の交点が <<|(Q^, P^)|>> で,その上部と需要曲線切片 a との間の三角形が消費者余剰,下部と供給曲線切片 c との間の三角形が生産者余剰となる.
[Answer]
均衡取引量 Q∗=b+da−c
均衡価格 P∗=a−b,b+da−c(または P∗=c+d,b+da−c)
消費者余剰 <<|CS = \tfrac12,Q^,(a - P^)|>>
生産者余剰 <<|PS = \tfrac12,Q^,(P^ - c)|>>